主題と変奏 変ロ長調 作品3

ロジェストヴェンスキー指揮/ソビエト国立文化省交響楽団

1982 BMG/Melodiya

('◎')('◎')('◎')('◎')('◎')

1921-22年に作曲され、「N.A.ソコロフの思い出に」捧げられた。ショスタコーヴィチは1906年生まれなので、15-16歳の頃の作品ということになる。ソコロフは音楽院時代の師だが、不真面目でしばしば授業をさぼっていたようで、ショスタコーヴィチは彼の家に押し掛けて対位法とフーガを習ったという。学生時代に多大な影響を受けた人物の一人のようだ。ロジェストヴェンスキーの初録音盤は、瑞々しく透明感のあるサウンドで曲想を表現しており、各変奏のドラマを感じさせる。当時のソ連オケ、特に文化省響の極端にアクの強いサウンドは影を潜め、奏者の技術、アンサンブル力を聴くことができる。

ヒメノ指揮/ルクセンブルク・フィルハーモニー管弦楽団

2016.06 Pentatone

('◎')('◎')('◎')('◎')('◎')

初期作品を収めたヒメノのアルバムから。軽やかに、そしてしっとりと奏でられる。美しいサウンドと丁寧な構築で、リムスキー=コルサコフを受け継ぐ習作としての出来以上に感動的な演奏となっている。

ボットスタイン指揮/ロンドン交響楽団

2004.04.05-08 Talarc

('◎')('◎')('◎')('◎')('◎')

ポポフ1番との併録された「主題と変奏」。トラックが15(主題・変奏1-11・フィナーレのアレグロ、アダージョ、プレスト)に分かれており、聴きやすい。丁寧に演奏されており、ロンドン響の極上の響きも素晴らしい。ドラマチックでメロディアスな表現も過度にならず、落ち着いたサウンドの中でしっかりと造形されている。